大判例

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東京高等裁判所 昭和60年(行ケ)215号 判決

請求の原因一ないし三の各事実は当事者間に争いがない。

原告主張の審決取消事由についてみるに、請求の原因四の事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実によれば、審決は、(1)本件発明と引用例記載のものとが等しく高磁気こう配磁気フイルターを利用し、磁性物質のみならず非磁性物質をも同時に除去するものでありながら、出発材料を異にすることを看過、誤認し、(2)引用例には、凝集剤の添加量ないしその制限値について何ら示唆されていないにかかわらず、引用例記載のものにおいても、凝集剤は、磁性物質と非磁性物質が励磁を解除したときに高磁気こう配磁気フイルターを構成するマトリツクスを通過することができないような大きさのフロツクを形成しない程度に架橋する量しか添加されていないであろうことを当業者は容易に推測することができるとして、引用例記載のものの技術内容を誤認し、また、(3)引用例には、本件発明に係る方法において原告主張のような技術的意義を有する攪拌に相当する手段を採用することについて何ら示唆されていないにかかわらず、引用例記載のものも当該手段を採用するであろうことを当業者は容易に推測することができるものであるとして、引用例記載のものの技術内容を誤認し、(4)引用例記載のものの属する技術分野をも誤認し、更には、(5)本件発明の奏する顕著な作用効果を看過し、以上の誤つた認定及び判断の結果として、本件発明は当業者において引用例記載のものに基づいて容易に発明をすることができたものと誤つて認定、判断したものであつて、違法であるというべきである。

よつて、審決取消しを求める原告の本訴請求を正当として認容する。

〔編註〕 本件発明の要旨は左のとおりである。

磁性物質および非磁性物質を含む懸濁液から磁性物質を磁気により分離除去する方法において、前記懸濁液に予め磁性物質と非磁性物質が、励磁を解除したときに磁気フイルターを構成するマトリツクス内を通過し得ないような大きさのフロツクを形成しない程度に架橋する量の凝集剤を添加して攪拌したのち、高磁気こう配磁気フイルターにより磁性物質および非磁性物質を同時に分離処理することを特徴とする、磁性物質および非磁性物質を含む懸濁液の磁気分離方法。

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